脂漏性皮膚炎とは? (症状・原因・対策について)

脂漏性皮膚炎に悩む男性

その症状から、単なるフケ症だと勘違いされやすい脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)。

無害なフケ症に対し、こちらはかゆみや抜け毛の原因になるので、放っておくと危険です。

このページでは、脂漏性皮膚炎の概要、原因、対策方法についてまとめています。

脂漏性皮膚炎とは何か

脂漏性皮膚炎は、頭部や鼻の付け根など特定の場所にフケの付着物が発生する病気です。脂漏性皮膚炎になると、幹部をこすったり掻いたりした時などに、パラパラとフケが落ちるようになります。

脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)、とも呼ばれます。

脂漏性皮膚炎の症状

脂漏性皮膚炎の症状は、発症部位や病気の進行具合によって変わります。最初はフケ症状が出るだけですが、進行すると、徐々に重症になっていきます。放っておいて治るものではないので、何かしらの対処をしていく必要があります。

脂漏性皮膚炎の症状(軽度)

  • フケが出る(※)
  • 患部が脂っぽくなる
  • 患部が赤くなる
  • 患部が痒くなる

※脂漏性皮膚炎によって生じるフケには個人差があります。乾燥したフケが生じたり、脂っぽいフケが生じたり、大きさも、粉状のものから小さなかさぶた程度のものまでと様々です。色は、白や黄色に近い色をしています。

脂漏性皮膚炎の症状(重度)

  • 患部(特に頭)がフケに覆われる
  • チクチクとした痛みが生じる
  • 膿が出る
  • 悪臭を発する
  • 脱毛抜しやすくなる(脂漏性脱毛症)

痛みや炎症が生じるようになると、いよいよ症状も重度と言えます。そのまま放っておくと症状が悪化し、脂漏性脱毛症と呼ばれる抜け毛の原因にもなるので、迅速な対処が必要になります。

脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎の原因は、未だ明確化されていません。原因とされるものが多岐に渡るため、何が実際の原因なのかが特定しにくいのです。一般的には、以下のような流れで症状が起こると考えられています。

  1. 皮脂の過剰分泌が起こる
  2. 皮脂をエサにマラセチアというカビが繁殖する
  3. マラセチアのはたらきによって発生した脂肪酸が皮膚を刺激して皮膚炎が起こる

1.皮脂の過剰分泌が起こる

脂漏性皮膚炎の原因の根幹となるのは、皮脂の過剰分泌です。

皮脂は、皮脂腺と呼ばれる器官から分泌される、脂肪などを含む液体です。皮脂腺は体の特定の場所にまとまって存在するため、脂漏性皮膚炎もその付近で起こります。

皮脂腺が多く存在する場所

  • 頭皮
  • 髪の生え際
  • 鼻の脇
  • 耳の後ろ

なぜ皮脂が過剰分泌されるかはまだ明確にはわかっていませんが、以下のようなものが主な原因だと考えられています。

  • 食生活の乱れ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 生活習慣の乱れ
  • ストレス(精神状態の乱れ)

ここに挙げたもの以外にも、喫煙や、アルコールの過剰摂取、臓器の疾患などが原因になりうると考えている専門家もいます。皮脂が過剰分泌される原因が多岐に渡るのも、脂漏性皮膚炎の原因が特定されにくい理由の1つになっています。

2.皮脂を餌にマラセチアというカビが増殖する

皮脂が過剰分泌すると、皮脂の中に含まれるトリグリセリドという物質をエサに、頭に常在するカビであるマラセチアが増殖します。

現在確認されているだけでも、マラセチアには10種類以上に分類することができます。その10種のうち、フケに影響すると考えられているのは以下の3種です。

  • マラセチアグロボーサ
  • マラセチアレストリクタ
  • マラセチアフルフル

このうち、脂漏性皮膚炎と最も関係性が高いとされるのはマラセチアグロボーサです。その次に、マラセチアレストリクタ、マラセチアフルフルが並びます。

ただ、先に述べた通り、脂漏性皮膚炎の原因はまだ明確にはわかっていません。あくまでそのような説が多い、という程度の認識にとどめておいてください。

3.マラセチアのはたらきにより発生した脂肪酸が皮膚を刺激して皮膚炎が起こる

マラセチアのエサとなるトリグリセリドは中性脂肪です。マラセチアはトリグリセリドを分解し、遊離脂肪酸と呼ばれる物質を生み出します。この遊離脂肪酸が皮膚に与える刺激が、脂漏性皮膚炎の主な原因だと考えられています。

遊離脂肪酸はもともと皮脂の中に含まれていますが、皮脂の主な成分である脂肪に比べるとその割合は少なく、害はほとんどありません。それに、少量であれば免疫力で対処できてしまうので、皮膚炎が起こることはありません。

問題なのは、あくまで「皮脂の過剰分泌 ▶︎ マラセチアの増殖 ▶︎ 遊離脂肪酸の増加による皮膚への刺激」という流れが起こることです。

免疫力が高い人は、たとえマラセチアが増殖し、遊離脂肪酸が増加しても脂漏性皮膚炎にならない場合があるので、体も免疫を高めるのも脂漏性皮膚炎対策の1つの方法と言えます。

いずれにせよ、既に症状が出ている人は、上記の流れを絶つために何らかの対策をする必要があります。

脂漏性皮膚炎の対策方法

脂漏性皮膚炎に治療・予防には、医療機関を介すものと、自分でできるものとがあります。

医療機関を介す対策

脂漏性皮膚炎の患者は行くべき医療機関は、皮膚科です。皮膚科で脂漏性皮膚炎だと診断されると、以下の処置がなされることになります。

  • 塗布薬(ステロイド)の処方
  • 内服薬(ビタミン剤)の処方

塗布薬(ステロイド)

あくまで対症療法です。根本からの解決にはなりません。塗り薬なので即効性は高いですが、ステロイドなので、副作用が生じる可能性もあります。イメージとしては、かゆみや痛みが本当に収まらない時に使うものです。慢性的な使用は、おすすめできません。

内服薬(ビタミン剤)

脂漏性皮膚炎を根本を解決するための薬です。免疫を高ることで、皮脂の過剰分泌を減らしたり、遊離脂肪酸のダメージから皮膚を守ったりします。即効性は低いですが、副作用も起こらず、症状の根本的な解決につながります。ちなみにこちらは、ビタミン系のサプリメントでも代用することができます。

医療機関を介さない対策

脂漏性皮膚炎は、医療機関に行って薬をもらえばすぐに治るような病気ではありません。慢性化・再発症は脂漏性皮膚炎の代表的な特徴と言えます。

薬を使えば症状を抑えることができますが、一時的です。内服薬は根本からの解決につながりますが、結局のところ、生活から脂漏性皮膚炎につながる要因を排除していかなければ、治ったとはいえません。ずっと薬に頼り続けることになります。

皮脂の過剰分泌を抑える

脂漏性皮膚炎の原因の第一は、皮膚の過剰分泌です。皮脂が過剰分泌される原因については上でも一覧しました。

  • 食生活の乱れ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 生活習慣の乱れ
  • ストレス(精神状態の乱れ)

これらの乱れを対策することは、皮脂の過剰分泌を抑えるだけでなく免疫力を高めることにもつながります。免疫力を高めれば、遊離脂肪酸による刺激を受けても炎症が起きにくい皮膚を作ることができます。

シャンプー、ドライヤー周りでの対策

脂漏性皮膚炎の対策方法として、医療機関で処方されるステロイドやビタミン剤と同じくらいメジャーなのが、シャンプーによる対策です。

シャンプーの中には、脂漏性皮膚炎の原因の第二であるマラセチアの増殖やはたらきを抑制するものがあります。例えば、持田ヘルスケアが製造している薬用シャンプー「コラージュフルフル」などは、その代表格ですね。

このようなシャンプーは「抗真菌系シャンプー」という呼ばれます。「真菌」というのはカビを指す言葉です。この場合では、マラセチアを指します。

シャンプーの種類だけでなく、洗髪の仕方や、ドライヤーの使い方などにも注意しましょう。たとえば、洗髪の際に爪を立てたり、乾かす際にドライヤーで熱しすぎてしまうと、頭皮に刺激を与えることになるので、よくありません。

これについては、以下の記事で詳しくまとめているので参考にしてみてください。

サプリメントで免疫力を高める

こちらもメジャーな対策法。医療機関で処方される内服薬の代用ですね。

健康食品なので、内服薬よりも気楽に摂取することができます。

脂漏性皮膚炎まとめ

初期の脂漏性皮膚炎は、フケがパラパラと落ちる程度で、痛みや皮脂はほとんどありません。そのため症状を甘く見る人も多く、医師から薬の塗布や生活習慣の見直しを指示されても、面倒だからといって、実践しない人も多いそうです。

しかし、冒頭に書いた通り、脂漏性皮膚炎は放っておけば着実に進行していきます。頭がかゆくなり、異臭を発し、最終的には脱毛の原因になります。

一度重症になってしまうと、ステロイドも効かなくなり、生活習慣を見直したり自分で対策しようとしても、ほとんど効果がなくなってしまうそうです。

症状が軽いからといって甘く見ず、むしろ、症状が軽いうちから徹底した対策をしていくようにしましょう。

いかなる病気も、早いうちからの対策が肝心です。後回しにすればするほど、対策は困難になります。

脂漏性皮膚炎の人におすすめのシャンプー

最後に、脂漏性皮膚炎の人におすすめのシャンプーを紹介して、終わりたいと思います。

当サイト管理人も、脂漏性皮膚炎に悩んでいた時期があったので、症状に効くとされるいくつかのシャンプーを試しました。具体的には、コラージュフルフル、オクトシャンプー、キュレルシャンプー、その他市販のものまで、いろいろです。

それらを試した上で言えるのは、やはり、市販の安いシャンプーを使ってもほとんど効果はない、ということです。

もちろん、高額なものを選べばいいというわけではありませんが、本気で症状を抑えたい、進行を食い止めたいと思うのであれば、やはりそれなりの値段がする、しっかりとした製品を購入する必要があります。

今まで私が使ってきた中で、効果が実感できたシャンプーはいくつかありますが、あまり多く紹介しても逆にわかりにくくなってしまうので、いちばん良かったと思えるシャンプーだけ、この場を借りて紹介したいと思います。

記事中にも一度名前を出しましたが、持田ヘルスケア(持田製薬グループ)のコラージュフルフルネクスト。これはとてもおすすめ。私が脂漏性皮膚炎を相談している皮膚科の先生も、この製品を推奨していました。

ネット上でも評判の良い薬用シャンプーですね。

コラージュフルフルネクストは、こう真菌系のシャンプーです。抗真菌系のシャンプーは、「マラセチアの活動を抑制する」と明確な目的を持って作られているので、市販の、ただ何となく頭皮に良いシャンプーと比べ、対・脂漏性皮膚炎には高い効果が期待できます。

値段も1,700円/200mlと、この手の薬用シャンプーにしては安価なので、現在進行形で脂漏性皮膚炎に悩んでいる方は試してみるといいでしょう。

頭皮に刺激を与える界面活性剤の代表格「ラウリル硫酸」も入っていないので、肌が弱い方でも安心して使用することができます。

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